tinder3

最近会ってるデカ歯男
その名前の通り182センチというでかさと顔面を歪ませる歯が気になる。

今日は会うのが2回目で
近くの映画館でイエスタデイを観る予定だった。 待合場所に着き 顔を見た瞬間
「ん、、こんな顔だったかな、、なんか肌も荒れてる、、歯!?!?」

という印象を抱いた。
前回が居酒屋のカウンターで飲んだため横顔しか見ておらず酔いも回っていたため補正がかかっていた。
美化していたイメージを切り捨て 現実のデカ歯男と向き合うことにした。
映画館までの道のりを 他愛のない話でつなぐ。 デカ歯男とは話しが合うので多少の会話は苦にならない。

上映するまで時間があったがとりあえずチケットを買う流れになった。

歯「そこの映画館行ったことないんよなあ」
「わたし知ってる!確かここだったはず!」
「えー、こんな居酒屋もできたんやなあ」
「おいしそうよねえー、あ!ここ!」
「あー、こんなとこなんやー!わかりづらいなあー」
「地下にあるんよねえ〜わたしも、
シューーーーー」ー!ドン!!!!


キャーーーーーーー(周りの客)


話していた途中で雨が降っており濡れていた階段を踏み外し八段下まで落ちた。
一瞬すぎて記憶にないが 映画館から出てきた客の悲鳴声が聞こえた。
デカ歯男はわたしの上で息を飲んでいた。小さな声で大丈夫? と言った気もした。




やべえーーー!れ!しにてえ!!!ださずきる!!!ださすぎるでしょ!!かえりてええー、転けることとか滅多にないのによりによっていま?!?!?しにてえーーー


と思いながら
レジで 一般2人でお願いします
と言って デカ歯男の分まで払った。

一瞬の出来事だった。 冬なのに汗が止まらずコートを脱ぎ 袖をまくった。
エスタデイの内容も入ってこず ビートルズが名曲であることしか映画の感想は残らなかった。
ただただ死にたかった。
エンドロールで尿意を催し 我慢していたが限界に到達していた。終わった瞬間トイレに行こうとしていた矢先
歯「トイレにいく?」

こいつ、、、めちゃくちゃわかってるやん、、、

速攻トイレに駆け込んだ。
近くの居酒屋で コケた時の話題になり

「感情があんまりわからんから 悲鳴あげてたり痛そうだったら駆けよろうと思ったけど すぐ立ち上がったから あんまり大げさにできなかったよ、、笑 」
と言われた。


こいつ、できるやつやん。。と心の中で崇めた。

デカ歯男とは付き合いが長くなるかもしれない予感がする。。