tinder10 続

その日も仕事がすげえ疲れてこのまま寝たいですっていう日だった。

急に電話がかかってきて
近くでご飯食べてたから今から会えないかな
とのことだった。
家族でお酒飲んだらしく少し酔ってた感じだった。 わたしはちょうどシャワー浴びた後で、外寒いし出たくねえな...と思いながらもまあ少しだけならと思い 化粧もせず財布とマスクだけして外に出た。

コンビニの前でニコニコして待ってる美容室発見 酔っ払いじゃんと思いながらも距離を空けて隣に立った
最寄りのコンビニは行きすぎていて店員にあまり目撃されたくないため他人を装いたい。

美容師「お酒買ってくるけどなにがいい?」
「あー、レモンサワーで」
「はーい」

この時期の缶、冷たすぎて死ぬかと思ったけどなんか緊張感もあるし脳内がバグっていた。
とりあえずすごいペースで酒を飲み、ちょっと散歩をすることになった。
この日は後輩に送ってもらったので職場に自転車を置いていた。次の日も仕事だったのでそれを取りに行く流れにした。

私「じゃあ、ここまででいいよ!またね〜」
「えー、危ないしついていくよ」
「う、うん じゃあどうぞ」

結局自転車を取りに行くまでついてきてくれた。歩いてる途中、さりげなく手を繋いできて不覚にも どきっとしてしまった。付き合ってきた男たちが手を繋ぐ行為を恥ずかしいと感じるタイプだったのでこういう恋人じみたことに弱い。自然な流れだったし嫌な気持ちはしなかった。普通だったら、好きな人にこういうことされたら嬉しいのにな、とか思う場面なのにそれもなかった。手に貼ってある傷パッドが時々ガサガサしたけどこういうのもありかなーとおもった。
向こうの家までまあまあ距離があったので家の近くまで送ろうかな と思っていた。
私はなぜか変に男前なところがあって相手の性別やらなんやら関係なく家まで送りたい気持ちがある
「◯さんちまで送らせて〜僕そこからタクシーで帰るよ」
「いやー、タクシー代もったいないし私自転車だから途中までいこ〜」
「うーん、わかった」

途中で帰ろうかと思っていたのに話していたら帰るのめんどくさいな という思考になっていった。あと、今日家に行く流れじゃ無かったのに勝手に行って入らせてくれるのかな とか少し試したい気持ちもあった。
もしそういう流れになっても生理2日目の血がドバドバデイだったのですることはないだろうという安心感もあった。


歩いてる途中で 
「結構◯さんのこと好きなんだけど付き合ってくれませんか? 早いかもしれないけど電話とかするうちに 早く会いたい もっと話したいってドキドキするようになったの久しぶりの感情で、、」
「そうなんだね、」
「◯さんは僕に興味ないことも知ってるけど、こんなに趣味とか話してて面白いなーて思える人いなくて」
「うん つきあうってなんだろうね〜あー、さみいなーほんと」
「あ、僕の家ここです〜! ちょっとだけ待っててね かたづける」

どれくらいだろうと思ってたらすぐに家に入れてくれた。私だったら30分はどこかで待たせるかもしれない。
ほどよく散らかってはいるけど自分の好きなもので統一されている部屋だった。調味料やコーヒー作るやつとかもあって料理とかちゃんとするんだろうな と想像できた。
本棚とか靴棚はDIYでつくったらしい。
好きな漫画とかもたくさんあってとりあえず適当に読んだ。
「なにのむー? 日本酒と焼酎とハイボールと僕がつけた梅酒あるよー」
梅酒つけてんのかよw すげえな
思いながらもハイボールを選んだ。すぐお酒作ってくれて 最近現像した写真とかも見せてくれた。
漫画面白すぎて集中してたら美容師爆睡してたw

何もないのは素晴らしいことだし、それでもどこかで期待していた自分がいた。